診療内容
発達に関するご相談
ご相談の例
総合病院にて発達外来を担当していた経験をもつ院長が、ご相談をお受けいたします。
●視線が合いにくい
●言葉の遅れが気になる
●首のすわりが遅い
●寝返りができない
●歩くのが遅い
●かんしゃくを頻繁に起こす
●こだわりがつよい
●友人とのトラブルが絶えない
●話していても聞いていないように見える
●じっとしていられない
●集中力・落ち着きがない
●集団行動についていけない
●場所を選ばず、ずっとしゃべってしまう
など
小さなことや周囲に相談しにくいことも、
お気軽にご相談ください。
発達相談は診察時間が限られているため、お電話での予約が必要です。
発達相談・発達障害に関する当院の方針
適切な専門医療機関、支援施設におつなぎします。
発達に関するお悩みは、ご家庭や学校の先生だけで解決しようとするのではなく、発達相談を行う小児科医や地域の保健センター、療育センターなどにも相談することをおすすめします。
当院では、誰に何を相談したらいいのか、など具体的にアドバイスさせていただきます。
発達相談は、診断名をつけることが目的ではありません。
発達障害の診断は、経時的な診察の中で明らかになっていく場合も多いため、1回の診察では、診断名が確定しないことがあります。小児科専門医として正確な情報をお伝えするとともに、取り組めることをご家族と一緒に考えてまいります。
ADHD(注意欠陥多動性障害)
発達障害の中でも、他の子と比べて落ち着きのなさが極めて目立つのが注意欠陥多動性障害(ADHD:Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)です。
症状
●注意欠如の症状(例)
① 勉強中に不注意な間違いをする
② 活動中に注意を持続することが困難
③ 話を聞いていないように見える
④ 指示に従えず勉強をやり遂げられない
⑤ 課題を順序立てることが困難
⑥ 精神的努力が必要な課題を嫌う
⑦ 必要なものをよくなくす
⑧ 外的な刺激によってすぐ気が散る
⑨ 日々の活動で忘れっぽい
●多動性・衝動性の症状(例)
① 手足をそわそわ動かす
② 席についていられない
③ 不適切な状況で走り回る
④ 静かに遊べない
⑤ じっとしていない
⑥ しゃべりすぎる
⑦ 質問が終わる前に答え始める
⑧ 順番を待つことが困難
⑨ 他人を妨害し、邪魔する
治療
具体的に今、どのような困難を抱えているのか、その困難はどのような状況で起きているのか、などを確認し、個々に応じた環境調整や薬物療法を行います。
●環境調整
失敗して注意される、叱られる場面がなるべく少なくなるような環境設定を考えます。
(例)気が散りやすい場合
-
窓際や廊下に近い席は避け、なるべく教師に近い場所に座席を置く
-
メモ帳をもち、すぐにメモする習慣をつける
など
●薬物療法
環境調整だけでは行動に変化が現れにくい場合や、衝動的な行動が止められない場合には、薬物療法を行うこともあります。
自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder)に共通する特性は「対人関係を調整することの難しさ」と「こだわりの強さ」です。それぞれの特性の強さや現れ方は子どもによって違いがあります。
自閉スペクトラム症の特徴的な行動(例)
●対人関係を調整することの難しさ
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あやしても目が合わない、反応が乏しい
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手を振って「バイバイ」する時、手のひらを自分に向ける
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人見知りや親の後追いをしない
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言葉をなかなか話さない
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言葉を話すようになっても、セリフを棒読みするような話し方、妙に大人びた言葉遣いをするなど、不自然さがある
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表情や話しぶり、視線などから相手の気持ちをくみ取ることができない(空気が読めない)
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孤立する、受け身過ぎる、一方的過ぎるなど、双方向の対人関係がうまくとれない
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「空気を読めない」などの特徴のために周囲の人のひんしゅくを買ったりすることがある
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自分の好きなことを話す時に饒舌になりすぎることがある
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友人と親密な関係を築けない
●こだわりの強さ
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同じ行動を延々と繰り返す
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何かをするときの方法や手順、物の並べ方などにも強いこだわりがあり、いつも同じでないと気が済まない。状況に合わせて柔軟に変更することができない
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特定のものごとに強い興味や情熱をもつが、その範囲は狭い
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順番や競争などで一番になれないとパニックを起こしたり、相手とトラブルになったりするほど強いこだわりをみせることがある
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一つのことに集中しすぎて周囲がみえなくなる
学習障害(LD)
学習障害(Learning Disability)とは、知的な発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる発達障害のことです。学習障害のタイプは読字障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)に分かれています。
人によって症状の表れ方が異なったり、意識しないと気づかれにくいことも多く診断が難しい障害でもあります。
学習障害は、本格的な学習に入る小学生頃まで判断が難しい障害です。
学習障害のタイプ
●読字障害(ディスレクシア)
文字が読めないのではなく、文章を読むのが極端に遅く、読み間違えることがよくあります。
(例)
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ひらがなの音読が遅く、読み間違える
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文章を読むのがたどたどしい
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文章を読んでいると、どこを読んでいるのかわからなくなる
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文章の内容(あらすじ)をつかんだりまとめたりすることが難しい
●書字障害(ディスグラフィア)
文字を書いたり、写したり、文章を綴ったりするのが難しいです。
読字障害があると書字障害も伴いやすいです。
(例)
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文字の形や大きさがバラバラになったり、マス目からはみ出したりする
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誤字脱字や書き順の間違いが多い
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黒板やプリントなどの書き写しの速度が極端に遅い
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考えた内容を書いて表現することが難しい
●算数障害(ディスカリキュリア)
計算や推論することが難しいです。
(例)
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簡単な数字、記号を理解しにくい
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計算を習得することが難しい
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文章問題が苦手、理解できない
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図形やグラフが苦手、理解できない